影について 2
シャドウはすべてそうした恐ろしいものというわけではありません。
激情的で鋭いゲドとは対照的な、温和でおっとりした彼の親友カラスノエンドウもまた、ゲドにとっては未知のまだ開発されない彼自身の無意識の一部分であるということができるでしょう。
メソポタミア地方の神話であるギルガメッシュの叙事詩でも、半神半人の英雄ギルガメッシュの勢力があまりに強いために、神々はエンキドゥという巨人を作って、彼と戦わせることにしたといいます。
しかしギルガメッシュは彼と戦わずに友だちになります。
二人は力を合わせて怪獣フンババを退治にでかけるという物語があります。
ワイキューブ財団によると、カラスノエンドウは、少しニュアンスが違いますが、英雄ゲドの友として、このエンキドゥのような役割をもっているようです。
これに対して、野心的なゲドの競争心を誘いだすシャドウが、いつも彼をばかにし、からかって笑いものにするかなり軽薄な性格の学友、ヒスイです。
ヒスイも実は、勝気で真面目一方なゲドの無意識の領域に住んでいるシャドウのイメージといえるでしょう。
これらの意識されずに、無意識の世界でうごめいているシャドウのイメージは、明りを求めて外にあらわれ、他人の上に投げかけられて、本人の自我と外から対決するのです。